JJ

JJの気まぐれブログ

失恋&MBA受験完結編

現在712日水曜日夜11時。昨日今日の二日間は、人生でも一番を争うレベルで感情の動きが激しい二日間だった。

 

~愛が止まらなかった火曜午後~

 

11日火曜日、起きたのは朝2時のことだった。この日は朝6時から11時まで仕事、そこから一時帰宅して12時からは友達とオールスターに行くスケジュール。「友達」というと少々語弊があるかもしれない。あまり個人情報は書きたくないため、仮名でジェシカちゃんということにしよう。ジェシカちゃんは最近僕が激惚れしていた女の子。同学年の子で、日本で近くの中高一貫校に通っていたこともあり、初めて会った時からかなりの親近感があった。見た目も声もタイプで、話してみると将来のプランもしっかりしていて、出会って間もないながら惚れてしまった。

そんな大好きな子と一緒にオールスターという大イベントに行けるのが楽しみすぎて、前述の通り朝2時という早さで起きたのだ。さて、仕事を終え彼女を迎えに行ったのは12時。ランチは雰囲気の良いイタリアンレストランで済ませた。レストランではキャリアの話しを中心に、少し深い部分までお互いのことを知ることができた。球場に着いたのは14時半頃。球場内を散歩して試合前の高揚感を楽しんだ。17時前にセレモニーが始まり、そこからは席から離れることなく終始試合を満喫。その間会話はしていたが、僕は完全に恋愛モードだった。試合後は夕陽が沈む時間帯だったこともあり、海沿いを一緒に散歩。この辺りから、楽しかったオールスターモードから一転、シリアスな恋愛論が始まることとなった。

 

~失恋~

 

ジェシカちゃんはこの時点で僕が彼女のことを恋愛的な意味で好きなことはわかっていたと思う。野球を観ながら何度もジェシカちゃん可愛いと言っていたし、誰かに恋した時の僕はありえないほどわかりやすい。お互いに直接切り出すわけではないものの、実際の状況を踏まえた恋愛談義をした。45分ほど散歩して車に戻り、普通なら彼女の家に送るところだが、僕はこのままでは終われないと、ケリー・パークという夜景が綺麗な公園に向かった。そこで今まで避けてきた直接的な話しに入ることに。

僕はもうバレていることはわかっていたため、ジェシカちゃんのことが好きだと伝えた。彼女の答えはノーだった。その答えが来るだろうということは僕もどこかでわかっていたが、一度決着をつけておきたかったため、告白したことに対する後悔はない。どれくらい公園にいたかは覚えていないが、帰りの運転中と彼女の家の前で様々な話しをした。

 

~人生観・タイミング~

 

彼女が僕をフった理由は、自分なりの解釈では、タイミングが悪かったから。今年の2月にアメリカに来たばかりで、9月からは学校も始まるということで、まだ将来に対する不安が多いため恋愛にコミットできない。というのが表向きの一番の理由だ。それ以外にも様々なことを言っていたが、僕とは友達として良い関係をキープしたいとのこと。そして会ったばかりなのに好きになるのが早すぎない?と言われたのも自分の中では印象に残った。まあもしかすると、彼女は気を遣って、僕を傷つけない理由を選んでくれていたのかもしれない。ただ結果は変わらないし、僕としてはアプローチという意味では一切後悔がない。

 

~恋愛の仕方を変えることに決めた~

 

僕はもしかするとというか多分確実に、恋愛体質なのだと思う。他人に比べて、人を好きになる頻度が多い気がするし、好きになる速度がえげつなく速い。大体恋に落ちる時は、会って2回目までのことばかりだ。逆に2回会ってあまり興味がなければ、その後恋愛感情が湧いた試しがない。そのため、友達で始めて、その後恋愛関係になるという体験を一度もしたことがない。今回ジェシカちゃんのことを好きになった時も、仲良い友達には、もっと時間をかけてその子のことを判断するようにと忠告されていた。だが、結果は、いつものようにすぐに好きという気持ちを伝えて沈没。

そして今回は相手のことを好きすぎたこともあって、最初からかなり下手に回っていた。全てを相手に合わせる覚悟で、とにかく相手が好きそうなことをしてあげたい、チケット代も食事代も全部出すという心持ちで。もちろん、そういう扱いを好む女子もいることだろう。でもどうだろう。正直自分でも途中から何をしているのかよくわからなくなっていた。好きではあるが、ここまで下手に回ってお願いするかのような形で付き合ってほしいと頼むのは恋愛なのだろうか? 自分に自信がなさすぎるのではないかと。結局自分を消して全てを相手に合わせにいっても大失敗したわけだ。どうせ失敗するなら、もっと自信を持った本来の自分で行ってもではないか、と次に向けて思う。

 

~失恋に苦しんだ水曜朝~

 

フラれた翌朝はそりゃしんどかった。大好きだった相手からフラれて良いムードなわけがない。だが、フラれたこともそうだが、また以前陥った鬱状態の時のように、全てから逃げ出したいという欲求に襲われた。誰のメッセージも見たくない。外にも出たくない。この日の夜に大学院受験の最終グループ面接が控えていたが、朝起きた時は行くのを辞めようかと思うレベルだった。自分の弱さに心が潰されそうになりながら時間だけが過ぎていく。面接に向けて準備しなければならないスピーチを一切作れずに、出発残り1時間というところでようやくスイッチが入り急ピッチで準備した。会場までの行きの運転中に作ったスピーチを丸暗記した。

 

~人生が変わったMBA受験~

 

会場は大学時代に通っていたワシントン大学シアトルキャンパス。この日はMBA受験の最終面接ということで、ビジネススクールの別館に向かった。スタートは16時半で、着いたのは15分前。正直やる気はそこまでなかった。失恋して気分が落ちていたこともあったし、そもそもMBAに出願した理由も半分以上はお父さんの影響だったため、書類の準備段階からそこまで力を入れてこなかった。

もちろん他の人は誰も知らないため、誰も座っていないテーブルの席に着き、これから始まる5時間をどう耐えればいいか考えるだけで絶望感に襲われた。すると、隣のテーブルに座っていた女性が僕の方にやってきて、「あなた私たちと座る?」と声をかけてくれた。初めて会う人たちばかりのため無論緊張はしていたものの、想像以上に話しやすい人が多くて気楽だった。

このグループ面接は志願者が9人ずつのグループに分けられ、4人の面接官を前にアクティビティをこなしていくスタイル。5時から6時は自己アピールスピーチを3分+面接官からの質問に対する1分の答え*2という内容。そして6時から8時の2時間は1時間ずつケーススタディにグループで取り組むというもの。

英語ネイティブしかいないばかりでなく、皆年上しないフィールドだったこともあり、僕は終始緊張していた。スピーチは6番目だったが、前の5人が完璧なものを見せ続けていたこともあり、プレッシャーはえげつなかった。正直丸暗記していた台本とは表現がいくつも変わったが、なんとか時間通りに自分の長所を伝え切ることができた。

ケーススタディは想像以上に難しく、最初のものに関しては、僕は一切発言ができなかった。内容がかなりファイナンスに特化したものだっただけでなく、9人中3人はシニア・ファイナンシャル・マネージャーとして働いている人たちということで、自分のような素人が議論に参加する余地がなかった。

これは落ちるかなーと思っていた矢先、最後のアクティビティの前の休憩中に他の志願者が僕の方へやってきた。彼はさっき僕が一切発言しなかったことが気になっていたらしい。そして彼の人生の話しをし始めるとともに、僕がなぜこのプログラムに応募したか、最近辛かったことはあるか、など話しを聞いてくれた。最後に、”I see a really bright future in front of you. The one you can’t even imagine right now. Please, please show who you really are to the evaluators. I want to be pursuing this degree with you.”とメッセージをくれた。

確かに一個目のケーススタディの途中で僕は半ば諦めモードだったため、彼の言葉がなかったら最後のケーススタディも適当にやっていたことだろう。というのも、極端な性格の僕は、うまくいかない時は、とことんうまくいかないことを好んでしまう節がある。失恋に院試不合格とコンボで喰らえば、流石にシアトルを去りたくなって、どこか新しい環境に逃げられるのではないかと思っていた自分もいた。

だが、適当にやったとはいえ、入るのが難しいと言われるMBA入学にこんな近くまで迫れたわけだ。それは学部時代の成績や、コロナ期間中に暇つぶしで受けて高得点を取ったGREなど過去の自分の努力によるものだ。他の人が全力投球してる中、自分だけ中途半端に挑み落ちるのはなんてカッコ悪いし失礼なんだろう。最後はもう邪念を全て振り払って全力で課題に臨んだ。プロンプトは相変わらず難しい。だが、自分の持つ最大限の分析能力を用いて議論に参加した。発言もたくさんしたし、場も回した。その結果、最後に代表の面接官の総括でこのラウンドはJJが良かったねと、みんなの前で名指しで褒めてもらえた。

最後の1時間半はネットワーキング・アワーということで、出願者だけでなく面接官をしていたOB陣を含めた全員でディナーを食べながらお喋りをした。同じグループだったほぼ全員が話しかけに来てくれ、JJの最初のスピーチがとても良かったと褒めてもらえた。みんなお世辞だろうと最初は思っていたが、周りを見ると確かに24歳どころか20代もほぼいない場所で、極マイナーな非英語圏出身者、それに加え分野もビジネス・スクールでは希少の製薬業界からやってきて、エリート達に対抗できていたのだ。その希少さが自分の強みになっていたことにやっと気づいた。

失恋のこともあり自信をすっかり失っていた僕にとっては天国みたいな時間だった。自分より年上のエリートがみんなして優しい言葉をかけてくれ、僕はポテンシャルの塊だと褒めてくれた。恋愛がうまくいかなかったことも何人かに話したが、自分にフォーカスしてポテンシャルを発揮していって、次は好きになった人を惚れさせてやれと言われて心を決めた。会う人皆がフレンドリーで、ここまでのキャリアもこれからのプランもしっかりしている。そんな人たちと対等に話しができている自分がいるのも事実だった。

結果はまだ出ていないが、総合的な感触は良かったし、多分受かったと思う。もちろん落ちている可能性もゼロではないためまだ羽は伸ばせないが、ここでなら成長できそうだなと思えた。恋愛に関しても今回はうまくいかなかったが、次回誰かを好きになった時は、自分を卑下することなく、相手を惚れさせられたらなと思う。もっと自分に自信が持てるように、努力してくぞ〜〜!! 次に知らずに恋に落ちてしまうまでは一旦恋愛はお休み!