JJ

JJの気まぐれブログ

MBAing 2 〜リアルすぎるお金の話し〜

~現在の給料~

 

 今回のテーマはお金。世間一般には、給料や貯金額の話しをすることはタブーと考えられているが、僕はそうは思わない。だからといって他人の給料を聞き回っているわけではないが、少なくとも自分の給料をシェアすることにそこまで躊躇はない。ということでざっとこれまでの社会人24ヶ月の給料推移をリストにまとめよう。

年月

基本給(年収換算)

ボーナス

コメント

20216

$50,000

 

新卒

20224

$55,000

$1,500 (20224月配布)

インフレ調整込

20226

$65,000

$10,000 (サイン時)

転職

202310

$73,000

$3,250 (20234月配布

昇進

 数字としては見ての通りとしか言いようがないが、いくつか補足をしておこう。業界や地域、そして個々の企業ごとにも異なるので一般化はしたくないが、シアトル近郊の製薬会社はどこも似ているので参考にはなると思う。

 まず、毎年春(3~4月)に Annual Raise とボーナスの配布が行われる。レイズはポジションにもよるが、20代だと大体3%前後。年収が$2,000-$3,000ほど上がる。そしてボーナスも20代は3-10%とそこまで高くはない。昇進はタイミングは個人によりけりだが、給料としては10%前後は上がるイメージだ。他にサイン時のボーナスや株のボーナス、401kのマッチング(年金用のセービングに会社もいくらか注ぎ込んでくれる)などもあるがここでは省こうと思う。

 さて、ここまで詳細に給料をシェアする意義についてだが、目的は2つ。1つは色んな人の参考になるから。もう1つは自分のこれからのチャレンジをよりわかりやすく数値化するため。僕は新卒の就活時は頼れる知り合いが一人もおらず、いくらを狙えばいいのかが一切わからなかった。会社に入ってコネクションを作れたことで、よりこの業界について学べ、もっと給料が高く自分が成長できる大企業に転職したわけだ。24ヶ月で50%弱給料が上がっているのは嬉しくはあるが、客観的に見ると$73,000という年収はシアトルでは低年収だ。年齢と業界を考慮すれば頑張っている方だが、まだまだ物足りないし、自分が目指しているところからはかけ離れている。じゃあどう給料を上げていくか? 過去2年行っていたように、副業をすれば年収を上げられるが、長期的に見るとやはりメインの稼ぎを増やしたいところ。自分の中での答えは早めのMBAだった。

 

MBAへの投資は価値があるのか?~

 

 MBAの学費はとても高い。3年で$95,000だ。会社が少しは学費を負担してくれる予定だったが、諸事情ありまだ最終決定がなされていない。ということで全額自腹で払うという前提で話しを進めていこう。

年齢

推定年収(MBAなし)

推定年収(MBAあり)

合計差額

24

$73,000

$41,000

-$32,000

25

$75,190

$43,190

-$64,000

26

$82,709

$50,709

-$96,000

27

$85,190

$130,000

-$51,190

28

$93,709

$136,500

-$8,399

29

$96,520

$150,150

$45,231

30

$106,172

$157,658

$96,717

 数値を算出した方法についてだが、MBAなしの方は年3%増し、2年に1回(年齢偶数年)10%増し、MBAありの方は24-26MBAなしの推定年収マイナス$32,000(学費の約3分の1)、27$130,000はこの次に触れるが、そこからは年5%増し(基本給が高いとレイズも高いという予想の元)、奇数年10%増し。

 下の表はこれまでのUW MBA卒業生の卒業時の年収・サインオンボーナスのデータ。まだ今年卒業した人のデータは出ていないが、インフレの影響もあり平均年収は$150,000オーバーと予想されている。ただ、そもそも平均年齢が28-32歳辺りと、僕より経験豊富な人たちの平均値であるため、様々考慮をして、僕が卒業する2026年には下位30%ほどに位置するであろう$130,000という年収を推定とした。

 この表を参考にすると、学費を全額自腹で出しても、30歳になる頃には十分元が取れ、30代からはガンガン稼いでいける見込みだ。ここには含めていないが、$20,000-$30,000ほどのサインオンボーナスも貰える可能性が高いので、それ込みだと卒業翌年には差額を埋められる。もちろん現実はそこまで予想通りには行かないだろうが、個人的にはMBAへの投資は中長期的に見て成功だと思う。

 

MBAに行けば誰でも稼げるのか?~

 

 僕のこの質問に対する簡単な答えはノーだ。まず、MBAと言ってもプログラムによって天地の差がある。MBAというタイトルを取るだけなら、オンラインで1年半もあれば取れるのが現実だ。他にも比較的簡単に取らせてくれるMBAは少なくない。僕の会社にもMBA卒は一定数いるが、せっかくMBA取ったのにそんなポジション?と思う人は基本的にオンラインMBA勢。もちろんオンラインMBAでうまくキャリアを形成していく人もいるだろうが、MBAのメリットを最大限享受したければ、仕事を一旦辞めてフルタイムで2年間が一番オススメだ。

 そういう僕は仕事をしながらの3年かかるパートタイムなのだが、理由は仕事が楽なため両立できる自信があったから+製薬業界での勤務年数を積んでおきたいため(Years of experienceは重要な指標で、ポジションによってはX年勤務歴がないと面接すらさせてもらえないなど縛りがあることも)。とはいえ、インターンや、より時間のかかるプロジェクトなどは、パートタイムでは最大限有効活用するのは難しい。特に異なる業界に飛び込みたい人はフルタイムでないと厳しいだろう。僕は今 Finance やコンサルにも少しずつ興味を持ちつつあるのだが、もしそっちに行きたければ、2年目の終わりの夏に会社を辞めて新しい業界でインターンをして、3年目は無職で、就活と新しい仕事への準備をするのが最善策となる。パートタイムの利点としては、給料を稼いでいるため学費は通いながら相殺できることと、学んだことをすぐに仕事で活かせることなどがあるため、一概にパートタイムが劣るということではない。

 また、インパーソンのプログラムというだけではなく、どのプログラムに入るかもとても大事だ。入れるのならば、スタンフォードかハーバードに入ればいいだろうが、敷居は高い。MBAランキングなどで調べれば、どの大学が投資価値があるかは見えてくるだろうが、人脈がほぼ全ての世界なので、出来るだけ高いところを目指すことをオススメしたい。結論、「そこそこレベルの高いMBAに入れる人なら誰でも稼げるようになるだろうが、入れず妥協してオンラインや低レベルのMBAに入った場合は稼げる保証はない」というのが僕の最初の質問への回答になる。

 

~どの仕事でそこまで稼げるのか?~

 

 UWはシアトルが本拠地ということもあり、卒業生の就職先を見ると半数がアマゾン、グーグル、マイクロソフトなどのテク企業だ。ポジションは人によりけりだが、Project Management, Product Management, Corporate Finance などが人気らしい。他には銀行・Wall Street 系の大手や、コンサル会社が典型的な就職先として挙げられるが、ここまで平均年収が高い理由は MBA Recruiting のおかげだ。MBA Recruiting とは、企業がビジネススクールに「あなたのところの学生を何人ください」と頼み、学校経由で就活をするシステム。これまでOBをたくさん輩出していることもあり、企業側は学校側との関係維持の意味を込めて、個人で就活をするよりも学生有利な条件を提示してくれるのだとか。就活のプロが履歴書の添削から、面接対策まで全てサポートしてくれるため、その王道ルートにさえ乗れば、ほぼ確実に6桁の年収は獲得できるのが現実。先ほどのデータの2021-2022卒業生の一番凄いところは、90人中最低年収が$94,000であること。最低値がほぼ6桁は正直異常な強さとしか言いようがない。

 学校側も、他の学校と競うために、卒業生には高い給料を勝ち取って欲しいため、ネットワーキングイベントなどサポートがとにかく積極的。入るまでに持っていた、「MBAに入る価値はあるのだろうか?」という淡い疑問は、少なくともお金の面では消えた。無論、お金を稼げたからといって幸せな人生を送れるとも限らないが、今の僕の価値観では、年収$150,000くらいまでは給料と幸福度は比例すると思っているので、徹底的にお金にはこだわっていくつもりだ。わかりやすいゴールがあった方が頑張れるタイプなので、卒業までに年収$130,000+サインオンボーナス$30,000クラスの内定を得ることを暫定的な目標として据えた。具体的には、1年目である来年夏までは、授業の履修に加え、課外活動では、興味のある業界を絞り出し基礎知識をつけること、ネットワーキングに勤しむことの2つをメインに準備を進めていきたい。では、また次回の記事で。

MBAing 1 〜レッツラゴー〜

3年に及ぶ MBA 取得への道スタート~

 

 遂に始まった。9月はオリエンテーションに特別講義、授業の開始、サークルへの加入、キャリア講座などダーーーーーーーっと忙しい毎日が続いた。何が一番疲れたかって、毎日色んな人と初めましての挨拶をして、個人ごとに程よい距離感を構築していくこと。これだけでも体力・精神力共に吸い取られるのに、会社は週40時間変わらずあるわけで、思ったより疲れが溜まる1ヶ月だった。これからは本格的に授業やサークル活動、イベント参加などで忙しくなるわけだが、その前に一旦ここまでのMBA生活をザッとシェアしていこうと思う。

 

オリエンテーション

 

 オリエンテーション9月上旬の週末に行われ、8時間*2という週末完全返上型のイベントだった。強制参加で参加費800ドルという、いかにもビジネススクールな徴収方法。プログラムのお偉いさん達、キャリアチーム、先輩方の挨拶や、様々なルールについてのおさらいなど、まあどの学校でもよくある内容で大半の時間を使った。

 メインイベントは First-Year Team Reveal。これはフォスター(UWビジネススクールの名称)MBA特有らしいのだが、全員が56人のチームに配属され、グループ課題・プロジェクトは来年夏までの1年間、このメンバーで協力し続けなければならない縛り。ランダムで分けられるのではなく、一人一人のキャリア・バックグラウンド・性格など様々な個性を専門家グループが分析して、この人たちを組み合わせれば最大級の相乗効果を引き出せる、という論理的方法で選ぶらしい。後でチームのメンバーをざっくり紹介するが、確かにすごくバランスが良いし、他のチームを見ても何か上手くいきそうな組み合わせに見えるから驚きだ。

 

~リーダーシップ・チームワークについての特別講義~

 

 オリエンの2週間後に待っていたのは、今度は金土日3日間8時間ずつの特別講義。リーダーシップとチームワークの2つの授業があった。教授は、著書も何本か出しているその道のプロ達。リーダーシップのクラスでは、リーダーとして必要な資質や、今の自分の強み・弱みの深い理解をケーススタディを通して学び、チームワークのクラスでは、チームの絆を深めるための楽しいケーススタディや、ルール作り、良いチーム作りのいろはを教わった。なかなか面白い授業だったが、同時に少しショックを受けたのも事実。というのも、周りのクラスメイトのリーダーシップ能力やアウトプット能力が想像以上に高かったからだ。

 本来ならここから長々と心の内を書いているところなのだが、疲れているため簡潔にまとめることにする。一つ言えることは、自分が周りより優れていることもあれば、その分劣ることもあるということ。プレゼンやスピーチに関してはこれからもっと磨いていきたい能力であるため、自分が上手いなと思う人達に話しかけにいって、彼ら彼女達からたくさん学んでいきたいと思う。

 

~チームのメンバー~

 

 僕の所属するチームは6人だ。名前と簡単な経歴、僕が思う個々の強みを書いていこうと思う。

 

Apeksha: インド出身の33歳データサイエンティスト。既にマスター(修士)を2つも持っている学歴お化け。アメリカに来たのは確か大学卒業後らしいが、個人で来ていることもあり、とにかく精神力が強い。グループミーティングのセットアップを常にしてくれるし、期限を守る・時間に遅れない、カレンダーお姉さんという印象。

 

Lucas: アメリカのどこか出身の30歳元Army所属、現在はリザーブ。仕事は航空会社でエンジニア兼プロジェクトマネージャーをしている。幅広い情報に精通していて、とにかく知識が豊富。どんな話題でも話しを広げられるし、地頭も良い。ミーティング時は司会進行を務めてくれることが多く、頼り甲斐のあるリーダーだ。

 

Kelsey: カナダモントリオール出身の30代前半。現在は有名お菓子ブランドのマーケティングマネージャーとして働いているが、その契約が今年末に切れるため、来年は就活を考えているそう。人前で話すのが大の得意で、授業でもクラストップ5には入る高頻度で手を挙げて発言している。プレゼン・スピーチ力もピカイチな、アナウンサーお姉さんという印象。

 

Rachael: アメリカはアリゾナ州出身の25歳高身長美女。唯一歳が近いこともあり、グループの中では一番話しやすい。仕事は航空会社でフライトテストエンジニアをしている。彼女も知識量が豊富で、どんな話題でも高いレベルで展開できる力は憧れる。そんな彼女の一番の強みは、誰とでも対等に話せるコミュ力・性格の良さ。ディベートでは相手が誰であっても自分の意見を論理的に伝えられるし、聞く耳もしっかり持っているため議論が発展する。グループではDevil’s Advocateというちょっと待てよ?ここはこういう可能性もあるんじゃない?というポジションを担うことが多く、渦に飲まれない強さを持つ、若き次世代リーダー。

 

Saman: グループ最年長の36歳、唯一の子持ちであるイラン出身の優しいお父さん。仕事はテク企業でソフトウェアエンジニアをしており、強みはソフトウェア系の知識量の豊富さ。ビジネススクールでは珍しい物静かなタイプで、クラスでは滅多に発言をしないが、グループでは動画課題があった時に編集をしてくれたり、会話の展開が早すぎた時に止めてくれたりと、ミスター安定感というイメージ。

 

JJ: この流れで自分も入れてみると、24歳韓国出身・日本育ちの現在製薬会社勤務。グループ最年少で、強みは情報処理能力の速さだろうか。現在AccountingFinanceという数字に溢れる授業を履修しているが、グループで課題に取り組む時は、計算が絡むものはいち早く終わらせみんなを引っ張っている。他のグループメンバーにない特徴は、根っからの個人プレイヤーであること。みんなで議論している時も、自分が特に質問や意見がない時は、一人次の問題に目を向けている。基本的には弱みになる個性なのだが、このグループではそれすら尊重してもらえるのが嬉しいところ。自分抜きの5人でも、全ての課題やプロジェクトをハイクオリティで終わらせられるレベルの高い人達なので、僕も気楽に貢献でき、人生ではじめてくらいにグループワークを楽しめている。

 

 週に2回は授業で顔を合わせ、もう2回はビデオ通話で課題に取り組み、テキストは毎日する仲になったが、とにかく楽しい。グループ課題でこんなに他人に頼れるのは初めてだし、その分、自分もこの人達のために頑張ろうと思える。スケジュールはしんどいが、みんな仕事も学校も同じ量こなしているし、そんな中でも全員がポジティブなエネルギーを持っていて、毎日とても良い影響を受けているのも確か。もう既に複数分野で成長できている実感はあるし、1年かけてどこまで自分が良いチームプレイヤーになっていけるかワクワクする。

 

~その他の人間関係~

 

 プログラムの同じ学年には87人いるが、クラス自体は2分割され、僕のクラスは45人ほどだ。既にほぼ皆と顔見知りにはなったが、毎週水曜日の授業後のハッピーアワーやサークル活動、イベントなどを通じての出会い・ネットワーキングチャンスはいくらでもある。真面目すぎる内容でも読んでてつまらないだろうから、最後に僕の定番、恋愛話しをチラッと入れて終わりたい。

 僕の恋愛話しをうんざりするほど聞いてきた人ならまた聞くまでもないだろうが、僕のタイプは年上女性だ。特に23歳上の2627歳あたりの人たちに会うと緊張してしまう。ところがどっこい、MBAで会う人達はそこの年齢層がメイン層であるため、ドンピシャなプログラムに入ってしまっわけだ。

 まあなんていうが、大抵は皆結婚しているか、パートナー持ちだし、そもそも年齢やパートナーの有無なんて個人情報であるため聞くこともない。ただ、そんな中でも近しい関係になったり、会話の流れでわかっていくこともある。

 スケジュールが忙しいのと、今は新しい生活に慣れるのにエネルギーを奪われているため、好きな人ができるまでには至ってないが、このお姉さんともっと話したいなという人はいる。その人は大学の卒業年的に僕の5個上で、大学まで中国、7年前に大学院留学という形でアメリカに来た美女。既に何回か話したのだが、キャリアはスーパーエリートなのに、個人で話す時はほんわかしているのが魅力的すぎる。基本グループのメンバーとばかりいるため、同じクラスであってもあまり話す機会はないが、イベントやハッピーアワーで一緒になる機会があればまた話したい。この話しにアップデートがあるかないかはわからないが、続報に乞うご期待!

 まあそんなわけで結論、今のところはMBA入って本当に良かったなと思えている。メンタルの不安定さに苦しんでいた過去数年が嘘のように、今は明確な目標もあるし、頼れるチームメイトもいるし、刺激も成長機会もハイレベルな友達も年上美女も、僕が求めるものが全てある環境に入れた。とはいえスケジュールは多忙だし、長期戦であることは間違いないため、頑張りながらもペース調整には気をつけて年末まで駆け抜けて行きたい。

 MBAingというシリーズブログをこれから書いていこうと思うが、第1話はこんなところで、また次回!

絶対に勝つ

~宣戦布告~

 

 実はこの前に1時間ほどもう少し構成がある記事を書いていたのだが、しっくりこなかったため、もっとドストレートに書きたいと思う。まずこのパラグラフでは宣戦布告をしたい。

 今回25日間の旅行に行ってきたわけだが、有給休暇自体は丸1ヶ月取得した。丸1ヶ月も休めるホワイト企業に勤めている自分、おめでとう。旅費は8000ドルを少し超えた程度だが、それを今まで稼いできたお金で問題なく払えた自分、お疲れ様。そして、旅行開始直前に会社でのプロモーションも決まった。給料は年収にして1万ドルは上がる見込みだ。そしてMBAにも合格したことで、同僚やマネジャー陣からも一目置かれる存在となった。周りは英語ネイティブのみ、年齢も一番年下の部類ながら、正々堂々戦えている自分、よく頑張ってるよ。

 シアトルに住んでいて一つ気に食わないことがある。それはテク業界で働いている人が過剰に評価されていること。アマゾンやグーグル、マイクロソフト所属の人は多いし、確かにそこで働いている人たちの給料は他の業界に比べて高い。社会的意義も高いのかもしれない。だが、講演会をしたり、メディアにインタビューされたり、焦点が当たりすぎている気もする。お金を稼げる職業が注目を受けるのは、当たり前のことだとは思う。日本やアメリカを始め、医学部が崇められているのも、お金と名声が大きな理由の一つであるし。

 だが、僕はそれがとても悔しい。他の仕事をしている人たちへのリスペクトは一体どこにあるんだと。結局は全てお金と名声なのかと。社会的風潮により、学部や職業に順位が付けられている今の世界。コンピューターサイエンスでGAFAMのソフトウェアエンジニアになるのがSランク、その他エンジニア専攻で大企業やスタートアップに就職するのがAランク、中小企業はBランクといった具合に。サイエンス専攻で言うと、医者になるのがSランク、薬剤師・歯医者になるのがAランク、製薬会社はBランクといったように。僕は、この順位付けが大嫌いだ。人にはそれぞれ合う・合わない、得意・不得意があるものだ。この順位はそれら個性を全く考慮していない。成績で言ったら僕は、医者になりたいと言っていた同級生とは大差ないどころか、大半には勝っていた。周りにも医学部、悪くても薬学大学院は行けるよと言われていたが、僕は製薬業界に行きたかったために行った。自分では満足しているが、周りの同僚には医学部落ちやまだ諦めきれてない人はいるし、給料も前述のSランクやAランクの職業に比べると抑えられている。この現実が悔しくてたまらない。

 このブログは自分なりの宣戦布告だ。僕が製薬業界にいることで、僕のレベル・ポテンシャルは、医者やソフトウェアエンジニアより低いとラベル付けされることがある。もちろん大半の人はそんなこと気にしていないし、最大限リスペクトしてくれているが、自分は満足していない。別に講演会がしたい・インタビューを受けたいというのが主な理由ではないが、図に乗っている人たちが偉そうに自慢話を語って、その話を目から鱗が落ちるように聞き入っている次世代の若者たち・親世代を見る度に気に触る。

 そういう偉そうに自慢話をしている人たちと真っ向から勝負して勝ちたい。自分の中での勝ちは、次の世代が将来の理想像として、ソフトウェアエンジニアや医者と同等のレベルで、僕みたいになりたいと思ってもらうこと。学部や入る業界なんてそこまで関係ない。大事なのは、自分が活躍したいと思った場所で、最大限努力し自分の価値を上げること。自分はそう信じているし、それが可能であることを証明したい。

 

~戦略~

 

 どうすれば自分は勝つことができるのか? 相手はソフトウェアエンジニア・医者というわけではない。というか僕は彼ら彼女らのことを嫌いなわけではないし、自分ができないことをしているため、最大限リスペクトしている。ただそのリスペクトは、その他全ての職業に対して同じレベルというだけだ。この仕事をしているからすごいといった価値観は自分にはない。スタバのバリスタも、博物館の案内係も、レストランのサーバーも、一生懸命働いている人は同じくらい皆すごい。そのため、敵は他者ではなく、自分だ。自分に課したことを全力でこなし続けられればそれが自分の勝ちに繋がる。

 具体的に言うと、自分がいる業界で限りなくトップに近いところまで行きたい。自分のポイントを証明するためには、ある程度お金と名声は必要になってくる。どの職業でもその道のプロやトップはいるわけだ。そこに近づく努力をすることで、周りにも、自分も今いる場所で最大限努力して上に行けば、楽しい人生が待っていると思ってもらえるだろう。必ずしも楽しい人生=お金・名声というわけではない。ここでいう楽しいとは、何か確固たる目標を持って、そこに向かう努力をすることで、ポジティブな気持ちで毎日に向かえるという意味。

 1ヶ月前の僕は自分を見失いかけていた。製薬会社での仕事も、新聞の執筆・編集も、毎日の自由時間も、MBA受験さえも、特に大きな目標もゴールもなく、全てがタスクと化していた。リフレッシュして自分を見つめ直した今は違う。今自分の置かれている環境で、出来る限りのことを吸収して、どうすれば自分の価値を上げられるかに取り組んでいくという目標ができた。MBAではコネクションを広げながら、色んな人の話しに耳を傾け、思考を膨らませ、自分の考えも聞いてもらいたい。そして、今まで触れる機会のなかったビジネス・お金の稼ぎ方に全身全霊向き合い、自分には何ができるのかを常に考え実行していきたい。会社では、もっと全体像に目を向けて、どんなプロジェクトに取り組めば自分の強みを生かせるか、今後に活きる知識・経験が得られるかを分析したい。より具体的には、MBAの授業だけでなく、リアルタイムのビジネスのニュースに目を通したり、仕事では国際的プロジェクトに手を出したりなど様々あるが、やりたいことと実際にやれたことは異なるため、事後報告という形でいつかシェアできればと思う。

 

~これからのスタンス~

 

 この1ヶ月オフで心身ともにリフレッシュして、特にメンタル面で充電できたことで、今は人生最大級のやる気に満ち溢れている。シアトルに戻って3年間どこまで自分を追い込めるか、どれだけ成長できるか、とても楽しみだ。まずは一日一日にフォーカスして、やれる限りのことをやっていきたい。

 過去のことを全て忘れたわけではない。後悔していることは多々あるし、前回の記事で書いた失った人間関係や、辞めてしまった新聞の副業など、寂しいし悲しい気持ちはある。だが、やる気に満ち溢れ集中している時の自分は、良い意味で割り切っている。他人は結局他人なわけだ。自分から離れていく人を止める必要はないし、近づいてくる人を拒む必要もない。僕はエゴがかなり強いこともあり、合わない人とはとことん合わないし、逆に合う人とは一度の会話で友達になれてしまう。シアトルで友達は多いわけではないが、愚痴を話したい時などに呼べる友達は一定数いる。そのため人間関係に関しては、とりあえずそこまで神経を使おうとは思っていない。会いたい人がいたら連絡をするし、誘われたら会いたければ行くだろうし、人と会うことや他人からどう思われているかなんて考える余裕があったら、自分の目標達成のために追い込む時間にしたい。

 久しぶりにやる気満々モードに入れてとても嬉しい。やはり自分のモチベーション源は悔しさだ。言い訳ばかりしてないで、もっと覚悟を持って毎日を生きていきたい。目先の結果でなく、日々のアプローチにフォーカスしていけば、必ず勝てると信じている。自分はこんなもんじゃない。絶対に勝つ。

人間関係は本当に、本当に、難しい

~オーストラリアでの友達作り~

 

 現在825日金曜日夜9時過ぎ。オーストラリアでの一人旅13日目で、明日14日目の夜、ニュージーランドクライストチャーチに向かう。ニュージーランドでは日本からの友達と合流し、基本二人旅になるため、二週間に渡る一人での時間も一旦おしまいに。旅の振り返りは次の記事に回すとして、ここでは、心のしこりを解消するべく、人間関係をテーマに書いていこうと思う。

 オーストラリアではメルボルンシドニー、ブリズベンという三大都市を回ったが、友達もたくさんできた。ツアーやミートアップ、そして日常のさりげないところでの会話を介して、合計30人以上と連絡先を交換した。もちろん一度会って連絡先を交換した程度では友達とは呼べないかもしれないが、その中で深く仲良くなりたい人がいれば、住んでる場所が離れていてもいくらでも仲良くなれるのが、このSNS全盛期のメリットの一つだろう。

 ツアーは大半はカップルや家族で来るため、一人旅勢はすぐ仲良くなれるし、その他の人たちにも気軽に話しかけてもらえる。メルボルンでのツアーでは、参加者半分以上と連絡先を交換するに至った。そして、ミートアップは語学交換系のものを選んだこともあり、友達を作るという意味では僕が最も得意とするフィールドのため、時間の許す限りにはなるが、数多くの人と知り合えた。

 オーストラリアにはワーキングホリデービザで来ている人がとても多く、中でも韓国人と日本人はミートアップにたくさん来ていた。韓国語・日本語・英語のトリリンガルで、現在アメリカ在住というオーストラリアでは珍しい経歴に、初対面と話すのが大得意の僕にとってはこれ以上ない環境だったわけだ。

 

~こじれた関係~

 

 まあそんなわけで知り合いは増えたのだが、そもそもなぜ一人旅に来て友達作りに時間を費やしたのか? もちろん一人で旅行は寂しく感じる時もあるが、メインの理由は、心を紛らわせるため。最近出会った人は知る由もないだろうが、僕は一人旅に来る直前、かなり病んでいたし悩んでいた。過去の記事をいくつか読めばもう少し具体的にわかるかもだが、今一番大きなしこりとして心に残っているのは、人間関係のこじれ。

 同僚一人、そしてプライベートで仲の良かった数人の友達を、自分の精神不安定さ故に失ってしまった。連絡を取ることも一旦やめて、時間を置いて、一人旅に来て色々考えを整理して、再度関係の修復を試みたものの、結果は惨敗。相手の気持ちは詳しくはわからないが、返信の内容から、もう以前のような仲の良い関係に戻るのは無理かなと感じた。

 一体どうこじれたのかを詳しく書くつもりはないが、簡単に言うと、とても面倒な振り回し方をしてしまった。前日までフレンドリーだったのに、次の日には急に長文メッセージでシリアスな話しをしたり、その次の日にはグループチャットを抜けたりなど。そしてその人に関することをストーリーやThreadsで書いたりなど、今考えると後悔しかないことをやってしまったのは事実。一切悪気はなかったし、これが起こった理由はその人のことが嫌いだったのではなくその真逆。好きすぎて全てが空回りしたわけだ。そして、その空回りしている状態で接した人との関係もこじれてしまったのだ。

 

~こじれた関係を修復するより、新しい友達を作る方が楽~

 

 人間関係というものは、もしかすると人生において一番難しいことなのかもしれない。双方の感情がぶつかり合うものだし、お互いの感情も時々によって変わる。クラスが一緒で学生の時はすごく仲良かった人でも、数ヶ月経つと疎遠になる人もいれば、逆にほとんど関わりがなかったのに、数年後親友になんてこともあるものだ。ここまで答えがなく、移り変わりが激しいものもあまりないような気がする。

 人生を振り返ると、一度何か亀裂が入ってしまった人と、また再度仲良くなった記憶はあまりないような気がする。元カノなんかが良い例だが、崩れた信頼や生まれた疑念を解消するには、お互いがまた歩み寄りたいという強い意志が必要になる。だが、大抵の人は、そんなことにエネルギーを使わずに、その人とは疎遠になる。考えてみれば当たり前なことではある。家族や何か社会的な理由で繋がっていない限りは、わざわざ一度関係が崩れた人と絡むのは疲れるだけだから。

 これに当てはめると、僕が今回失ってしまった友達も、高い確率で疎遠になるのだと思う。自分はまた歩み寄ってやり直したい気持ちがあっても、相手にその気がなければ不可能なわけで、相手をその気にさせるほど自分に価値はない、または与えた傷が大きすぎたのだと思う。その中の一人は、自分にとってはすごく特別な人ではあったが、自分のせいで気まずくなってしまった以上、連絡を取らないで、自然に関係を消滅させるのが最善な気がしている。

 このパラグラフのタイトルにもあるが、一度こじれた関係を修復するよりも、そうしてしまった後悔からの学びを活かして、フレッシュな状態でまた新しい友達を作る方が何倍も楽だし、コスパは良い。話しが少し長くなったが、そういう経緯で、一人で散歩しながら後悔の念で自暴自棄に走るより、新しい人に出会ってリフレッシュしようと思ったわけだ。おかげで普段以上のコミュ力を発揮できて、オーストラリアで出会った人にはかなりフレンドリーな印象を持ってもらえた。

 

~なぜ友達が少ないのか~

 

 最近仲良くなった人には信じてもらえないかもしれないが、僕は本当に友達が少ない。こんなにフレンドリーなのに?? と思う人は多分僕の本性を知らないだけだ。まずは友達の定義を明確にしておこう。僕の中での友達は、何段階かある。レベルAは、いつでも気軽に連絡が取れて、遊びに誘える人たち。レベルBは、連絡は取れるが、特別な理由がない限りは遊ばない人たち。レベルCは、その他全員の知り合いだ。わかりやすくインスタで例えると、Aはいつでもメッセージを送れる人。Bはたまにストーリーにいいねをつけれるくらい。Cは繋がってはいるけど、反応は一切しあわない人たち。

 具体的に数えてはいないが、この定義に当てはめると、僕はレベルAの友達は1020人の感覚だ。もちろん、連絡を取れる人はもっといるような気もするが、何か理由がないと躊躇してしまうため、Bに分類される。僕の友達が少ないというのはレベルAの友達のことで、しんどい時に頼れる友達がほとんどいないのが事実。フレンドリーではあるものの、深い関係に至るまでのプロセスを経ないことが多いため、レベルBCの知り合いばかり増えてしまう。この分類の難しいところは、双方が努力しない限りはランクが落ち続けてしまうということ。例えば高校時代の同級生なんて、レベルAだった人も、78年が経った今なんて大半がBCなものだ。だが、一度Aだった人はほんの些細な連絡で、またそのステータスに戻れるわけで、結局は自分次第ではあるのだが。

 このパラグラフの本題に入るが、僕はフレンドリーで社交的な割に、遊びに行ける友達や、頻繁に連絡を取る友達が少ない。この旅行も一人でしているわけだし、特にシアトルにいる時は孤独の時間が大半だ。オーストラリアで発揮しているフレンドリーさを日頃から出せば、たくさんの友達(レベルB、レベルC)はできるだろうし、もっと仲良くなりたい人には時間を投資して、レベルAに持っていくこともできるだろう。だが、その努力をしていない。なぜか? それは住んでいる場所に知り合いを増やしすぎてもデメリットの方が多そうだから。全員と知り合いになったところで、レベルAになれる友達はほんの一握り。それが周りから知られすぎると、噂はされるだろうし、プライベートがなくなりそうだから怖いのだ。

 また、割とメンヘラ気質で(治したいとは常々思っているが)、定期的に病み気が来るため、被害を最小限にするために、知り合いを増やすことにそこまで尽力していない節もある。

 

~これからどう人間関係を築いていきたいか~

 

 社会人になると出会いがないなんてよく言われるものだが、僕は9月からは仕事をしながら、MBA(大学院)のプログラムを履修し始める。既に半分くらいの人とは顔合わせをしたが、同期100人ほどと、先輩方、OB陣、そして同じ管轄内の別のプログラム所属の人たちなどを含めると、たくさんの人に出会うことになる。新たに出会った人の知り合いなどを含めると、これから3年で1000人を超える人と出会っても不思議ではないくらい、自分の裁量次第でいくらでもコネクションを広げられる環境に身を置くわけだ。それも、ほぼ全員が年上で、キャリアも自分より進んでいる人だらけの、大人の世界。今までのカジュアルな友達関係とは違い、一つの出会いで自分の人生が変わることもあるわけで、より人間関係が大事になってくる。直近のものも含めて、過去数多くの人間関係絡みの後悔があるわけだが、そこから何を学んだか。それをどう活かしていきたいを明記しておきたい。

 

1、パートナーの有無を気にしない・興味を持たない(努力をする)

 

 僕の人間関係のミスは大体が恋愛感情が絡んだ時だ。それによって友達・コネクションを失うことはもう辞めにしたい。好きになる時などコントロールできるものでもないが、相手がシングルだと知ってから好きという感情は生まれるので、そこを探らないようにしたい。女性、特に同世代の人たちと関わる時は、相手が結婚している体で接する。そして、もし遊びに誘われたり、連絡先を交換しようと言われても、間違っても「あれ? この人僕に興味があるのかな?」なんて思わない。

 

2、精神不安定な時は、長年ステータスをキープしているレベルAの友達にだけ連絡

 

 友達は少ないものの、なんでも相談できる友達は何人かいる。その人たちは僕のブログを過去全部読んでくれているし、付き合いも長く、どんな不安定な姿を見せてもずっと友達でいられる自信と信頼がある。メンタルが病んでいる時はそういう人たちにのみ、個人チャットで相談するようにしたい。インスタのストーリーやブログなど、誰でも読めるプラットフォームに載せることは、自分の首をさらに絞めることになるだけだから。

 

3、テキストは短く簡潔に、気持ちが昂っている時は一旦携帯を放置

 

 僕はとても感情的なタイプで、長文テキストも送ってしまいがちだ。だが、送ってそれで功を奏した記憶が全くない。大体は、それが積み重なり亀裂となる。長文テキストなんて送るメリットがない。同僚や友達に怒りや憎しみがある時は、それをストレートに伝えるのではなく、一旦落ち着くまで時間を置いてから、どうしても必要であれば連絡すればいい。相手に自分の気持ちを伝えることも大事ではあるが、よく考えたら自分の存在なんて、相手の人生の0.1%にも満たない小さな存在なわけだ。何か強い言葉を伝えたい時は、大半のケースが自分の鬱憤を晴らしたいという欲望に過ぎない。だが、その欲望は、相手に伝えたからと言って満たされるものでもない。伝えても伝えなくても、時間が解決するものだと思う。それなら伝えて関係を悪くするより、一旦抑えて、時間が解決するまで相手に触れない方が双方にとって得だ。落ち着いて相手のことが嫌なら、自然に距離を置けば良いだけだから。

 

〜結論〜

 

 あげれば他にも出てくるが、メインはこんな感じだ。亀裂を作らないためには、感情的にならないことが一番大切な気がする。僕のことだから、また近々、「MBAの同級生に恋した話し」とか、「講演をしていた35歳のキャリアウーマンに激ボレした話し」なんて言ったブログが上がっているかもしれないが笑

 冗談はさておき、新生活が始まるこのタイミングで、過去の過ちを振り返り、新たなルールを自分に課していきたい。それは人間関係だけでなく、仕事との向き合い方や、考え方なども。本当はキャリアのことや、今回旅行で再確認できた自分の目標などについても書きたかったが、人間関係のテーマで随分長く書いてしまったため今回はここら辺で。時刻は深夜手前で旅行14日目、826日土曜日に差しかかろうとしている。明日空港で旅記や、ここで書きそびれた話しを書くかもだし、それはまた後日になるかもしれない。

 新しい友達が30人できても、大事な友達を1人失った心の傷は簡単には癒えないものだ。明日からの自分よ、二度とこんなミスをしないように、出会いは大切に、感情的になりすぎないように! 悔しい、悲しい、寂しい。けど、これも人生だ。

メンタル充電残り3%

~愚痴を吐かせてください~

 

 やっと1ヶ月オフが始まる。今週はしっかり40時間働いたが、とにかくしんどかった。仕事は全く大変ではないのだが、睡眠の質が悪すぎてずっと疲れていた。不眠症のような症状で、数時間しか連続して寝れず、合計で7時間以上寝られた日も一日中眠気に襲われた。そして、ソーシャルエナジーがほぼゼロに等しかったため、一部の仲良い同僚を除いては会話もほとんどしなかった。今期での昇進も今週正式に決まり、10月からは給料も上がるのに、喜びもあまりない。一体自分の中で今何が起こっているのだろう。

 身体にも不調のサインが出ている。少しでもお腹が空くと暴飲暴食してしまう。実際、マラソンが終わって10日間でなんと4キロも太った。食事も睡眠も人間関係も何もかも乱れている。なんとか仕事こそこなしてはいるが、こんな状態じゃ来月から始まるMBAとの両立スケジュールに対応できるわけがない。この1ヶ月オフでリセットしないともっとしんどくなることは自分でもわかっている。だからこそ、この絶不調の原因を、出来る限り鮮明に記録として残しておきたい。

 

~社会人になって変わった結婚に対する価値観~

 

 不調の主な原因は、社会人になってからの疲れの蓄積が大きいような気がする。仕事に疲れている訳ではない。大学生の時までは周りにいるのは同年代ばかりだった。それが社会人になって突如、周りが年上ばかりになった。それも20代だけではなく60代まで。その人たちと接するうちに、自分が持っていた価値観が揺らいできた。

 一番大きいのは人生のパートナー。前の会社も今の会社も、同僚の8割以上は結婚済みか彼氏・彼女がいる。週末が明けると大体 ”How was your weekend?” と聞き合うわけだが、みんなが「恋人と~をした、家族と~に出かけた」という答えばかり。前提として自分は同僚はほとんど皆好きだ。自分より人生経験も豊富だし、何か困ったらいつでも助けてくれる。自分もこうなりたいなと思える人ばかりで、その人たちが皆結婚しているわけだ。そんな人たちと毎日戯れることで、自然と自分の中で、結婚=人としてまともであることの証明、という偏見が生まれたような気がする。

 学生時代の自分はそこまで恋愛に興味もなかった。実際初めて彼女ができたのは20歳の時だし、別れた時も勉強に打ち込むことで乗り越えられていた。だが、社会人になってからは別れた時のショックが桁違いに。シングルであることは自分に価値がないということなのか? という、根拠もない悲壮感に駆られた。そして、出会いもあまりない毎日を送っているため、たまに同年代でシングルの子に会うと、過剰に意識してしまう恋愛体質ボーイになってしまったのだ。自分でも間違っていることはわかりきっているし、こんな状態でもし彼女ができたとしても長続きしないとも思う。2年間で捻くれたこのパートナーの有無にする価値観をリセットしたい。

 

SNS疲れ~

 

 SNSはうまく使いこなせばとても便利なプラットフォームだと思う。色んな人と繋がれるし、情報も入手しやすい。だが、自分は不調期には、SNSは悪い方向に作用する。ここからの愚痴は個人に対するものではないので、悪く思わないでもらえると助かる。

 会社で既にシングルであることはしんどいという価値観を植え付けられているのに、インスタで結婚報告やデートのストーリーを挙げているのを見ても、良い気がするわけがない。そして、友達が美味しいところに食べに行っていたり、楽しいイベントに行ってるのを不調期に見ても、自分はなんてつまらない毎日なんだろうとしんどくなる一方。消してからはそういう情報を見なくて済むので少し楽にはなった。

 インスタでしか繋がってない人も一定数いるし、連絡が取れないのは寂しくもあるが、どんな決断にもメリット・デメリットはあるものだ。今の自分の精神状態では、SNSを一切見ない方がリフレッシュできる気がする。ちなみに何度でも言うが、今は自分と戦っているだけで、誰にも嫌悪感は一切ない。自分の勘違いかもしれないが、普段話すのにここ最近全く話していない同僚や、インスタでやり取りしていたのに急に疎遠になった人からは、僕がその人たちのことを嫌いになったと思われているかな? とも感じる。だが、全くそんなことはないし、全員とこれまで以上に仲良くなりたい気持ちはある。だが、一旦自分を見つめ直してリセットしないと、色んな人に迷惑をかける未来しか見えないため、時間が欲しいだけなのだ。

 

~競争し続けるしかないのか?~

 

 最初にもちらっと言ったが、会社では昇進が正式に決まった。昨年6月からこの会社で働いているため、1年ちょっとでのプロモーションということになる。これは最速で、同じ時期に始めた同僚が他に3040人ほどいるが、このスパンで昇進を勝ち取ったのは今のところ僕だけだ。誇らしいことではあるが、持ち前の効率の良さと、物怖じしないコミュニケーションスタイルで、強気で交渉していたため、自分の中では予定通りだ。

 だが、自分より経験豊富な人たち相手に、そして合計6年しか住んでいないアメリカの地で、ネイティブ相手にやり合うのはそこまで容易いことではない。大半の人は僕のことを認めてくれているし、応援してくれるが、一部には気に食わないと思われていることも知っている。MBAに合格したときも、数人からは、そんなの取っても意味ないのによくやろうと思うねなんて言われてムカっとした。そういう人たちは普段は優しいし話してて楽しいのだが、キャリアの話しやお金の話しになると急に過剰防衛体制に入るのだ。あたかも自分の人生が100点なんだと正当化するかのように、それ以外の道を全て否定する。

 昇進と言ってもまだ一番下のポジションから一つ位が上がっただけのため、まだそこまで競争が激しいわけではない。だが、この先のことを考えると少し不安にはなる。この時点で既にバチバチすることもあるのに、更に上に行ったらどんなしんどい戦いが待っているんだろうと。製薬業界では人種差別や性差別は無くなってきているが、重要なポジションに就いている人は、基本的に英語ネイティブだ。ほぼそのレベルにはいるものの、もう数段階自分の言語力・スピーチ力・プレゼン力を上げないとここでは戦えないことは既に実感している。

 

~キャリアの悩み~

 

 もしかすると僕はキャリアというか将来全般について考えすぎなのかもしれない。だが、自分ではそれが強みだと認識している。実際、常に色んなことを考えているからこそ、去年も転職がスムーズにでき、今年のMBA入学も決まったわけだ。新卒で入った会社で頑張り続けるのも全然ありだと思うし、それでも幸せな人生を送ることは十分に可能だと思う。

 僕がここまでアクションを起こしているのは、定期的に新たな刺激を入れることで、自分を成長させたいからだ。成長させたいというより、自分の中にある爆発的なエネルギーを解放させたい。経験上、環境とタイミング、そして自分のモチベーションが組み合わさった時に、僕はこの上ない幸福感を享受することができる。それを最後に感じたのは大学4年の夏休みまで遡るため、一刻も早くこの感覚をまた取り戻したい。

 では、社会人になって何が不足しているせいで自分の力を解放できていないのか? 言い訳に聞こえるかもだが、一番の理由は環境だ。仕事が楽すぎる。トレーニングさえ受ければ誰でも出来ることをやっても何も楽しくない。だが、製薬会社のオペレーションは、基本的にレシピに忠実に沿うことの繰り返し。刺激とは真反対の、つまらないまでの安定感が重要視されている。もちろん、新薬開発チームにサイエンティスト、またはビジネスの方で参加すれば刺激はあるだろう。そこに行くまで時間がかかるのが厄介ではあるが。それかスタートアップに入る、または業界を変えることも選択肢に入ってくるが、これら全ては転職が必須だ。

 結論から言えば、今の職場では刺激を得るのはなかなかに難しい。どんなプロジェクトもそんなに難しくないし、やって得られるスキルもあまりない。それでも他のチームメンバーと比べるとやり切る力はあるため、仕事はできるレッテルを貼られて、楽しくもないことをたくさん任されてしまう。大変でもないためそこまで不満はないのだが、このまま楽しくもないことを適当にこなすのは本当に自分がしたいことなのか? と疑問が生まれてきている。給料にも、会社での扱いにも、マネージャーにも、その他チームメンバーにも不満はほとんどないし、こんなにホワイトな職場は世界中を探してもなかなかないと思う。毎週三連休で、有給休暇も年7週間ほども問答無用で取れて、病欠無限で、仕事も毎日10時間中34時間やれば終わって、その他の時間は自由にできる会社なんて他に聞いたこともない。それでいて首を切られる心配も一切ないのだから。

 楽な仕事をしていて文句を言うのもおこがましいことは承知の上だが、自分が今欲しているものはこれではないことは確かだ。もっと悔しい・頑張りたいと思う環境に身を置いて成長したい。こんなのできないよという仕事を、知恵と努力でカバーしてこなしてみたい。8万ドル貰って楽な仕事をするのも悪くないが、今の自分の状況を考慮すると、12万ドル貰って忙しいが成長できる環境に身を置く方が自分はワクワクする。

 

~まとめ~

 

 結論、一番の悩みはキャリアのことだと思う。今の環境が楽すぎて、仕事で自分のポテンシャルを発揮できないため、刺激を外に求めてしまうことが悪い方向に作用している。具体的には、SNS上の友達や同僚と自分を比較して、彼女がいないと自分に価値はないと悲観的になり、少しでもうまくいかないと他のことも投げ出してしまいたくなる悪循環。

 もし仕事か勉強で刺激が十分にあれば、そこに自分のエネルギーと神経をオールインすることができて、周りの人たちがどう生きてるかなんて良い意味で気にならなくなると思うのだ。過去にはそれで問題なく努力できてきたし、今回1ヶ月自分にフォーカスする時間を取れば、十分メンタルをリセットできると信じている。

 社会人という新たなライフステージに入り、右も左もわからないまま、色々なことを考えながら最善の選択をしてきたつもりだが、膿が溜まったのも事実だ。去年の3週間弱のバケーションは、日本で友達に会っていたため一人になる時間がほとんどなかった。そしてその他の日は、常に仕事を2つ以上こなしていたため、今回が自分としっかり向き合える初めての休暇ということになる。課題は明確だ。ここに書き出した以外にも向き合いたいことがいくつかあるし、やっと自分の時間を作れて本当に嬉しい。

 ブログを書く理由は主に二つだ。一つは書くことで自分の気持ちを整理でき、それを残しておくことでいつでも振り返れるから。もう一つは読んでもらいたいから。自分で振り返りたいだけだったら公開する必要がない。読んでもらいたい理由はいくつかあるが、一番は、味方が誰なのか知りたいのが大きい。僕は人が好きだ。話すのは楽しいし、人の絆が人生の縮図とすら思っている。自分が頑張りたいのは自分の精神を安定させる方法がそれが最善だから選んでいるだけで、みんながみんなそんなに刺激を求めて生きる必要はないと思うし、しんどいので全くオススメはしない。そしてこのスタイルは、自分にストイックになって、努力しないといけないため、正直一人ではかなり辛い。だから味方が欲しい。家族は応援してくれているのを知っているためブログを見せたこともないし、見せるのは恥ずかしい笑 友達にも恥ずかしい部分もあるが、たまに読んでメッセージをくれる人がいると、心の底から嬉しいし、モチベーションになる。

 ブログはある意味一方通行のコミュニケーションだ。僕が発信するだけで、読者は自分が読んでいることを知られる心配もない。連絡さえしなければ。それでも連絡してくれる人は、自分の味方だと確信できるため、僕にとってはわかりやすい判別方法になっている。自分がすごくしんどい時は、信頼できる人に連絡したくなるものだ。極力迷惑をかけないようにはしているが、どうしても連絡したい時に選ぶのは今までにメッセージをくれた人になることが多い。

 今回も長々と書いてしまったが、南半球で色々なことを綺麗にリセットしてこようと思う。旅の途中で旅行記を書くかもしれないし書かないかもしれないが、連絡は持ってればLINEか、インスタの新しいアカウント(@j.j._jeon)にしてくれれば返せる。インスタに関しては完全にメッセージ用なので、他は何も見ないし載せないと思うが。自分でも1ヶ月でどこまでリフレッシュできるか楽しみだ。皆さんも無理せずお元気で。

自分勝手な取捨選択

~激動の7月~

 

 人生色々なことがあるものだ。現在これを書いているのは81日のことだが、7月には数多くのことが起こった。良いことも悪いことも。普段なら何が起きたか鮮明に書き残していただろうが、今回はあまり語りたくない。ブログを更新する気もあまりなかったが、アクセス数を見るとここ24時間で20を超えていたため、そんな通な人たちに向けて一応近況報告だけしておこうと思う。

 簡単に何が起きたかを説明すると、メンタルが弱っている時にオンラインで悪い人に引っかかってしまった。メンタルが弱っていた理由は、恋愛関係やスケジュールの忙しさなど色々あるが、悪い時は全てが重なるものだ。不必要に悩みすぎていたとも言えるが、これまであまり休まずに駆け抜けてきたのがオーバーペースだったのかもしれない。その疲れで会社を数日休んでいた時に、普段では考えられないレベルのトラップに引っかかったわけだ。

 まあ相手に弱みを握られ脅されたわけだが、僕は騙されたと気づいた瞬間相手を全プラットフォームでブロックしたため、脅しの内容などは把握していない。インスタで繋がっていたため、相手がプロだったらフォロワーリストくらいは抜き取られたことだろう。だがそこまで上手くもないのか、Facebook LinkedIn などにはかすりもしなかったようなので、こちらの勝ちと言っても申し分ない。

 もちろん向こうが本気を出せば、僕のインスタのフォロワーに色々メッセージを送ることはできる。それはしたければすればいいと思う。僕は対策として自分のインスタのアカウントを deactivate したわけで、いくら僕にメッセージを送りたくてもそれはもう無理なわけだ。最悪のケースは相手が僕のフォロワー相手にあることないことストーリーをつけて、僕を敵に回しに来ることだろう。そうなったら僕はインスタのフォロワー全員と疎遠になったとしても生きていける自信がある。というのも、長年僕を知ってくれている人は、そんな詐欺師の一言程度で僕と距離を置くとは思えないからだ。もし距離を置きたい人は置けばいい。それはもう僕に止められることではないため、寂しくはあるが仕方ない。

 

~ソイソースを、社会人としてあり得ない辞め方でおさらば~

 

 インスタに関しては少し前から消そうかなと思っていたため、ちょうど良かった。メンタルヘルスのためにもSNSから離れる時間は大切だ。ついでに勢いで Facebook も携帯から消した。残したのは LINE くらい。会社の同僚やこれからできるであろうMBAの友達とは、電話番号のテキストメッセージでやり取りできるため、SNSなんぞなくても何も問題はない。だが、SNSの利点の一つとして、国を跨いだ人と気軽にメッセージできることはあるので、インスタはメッセージ用に、新しいアカウントを作成しておいた。まだ、会社の同僚1人としか交換していないが。

 そしてこの詐欺被害を喰らった直後にソイソース(バイトとしてやっていた新聞の執筆・編集業)に蹴りをつけることにした。先週の金曜日に8月中旬から徐々にタスク量を落として、9月に完全に辞めますと伝えていたが、今年の5月頃から急激にモチベーションが下がっていたため、正直もう負担でしかなかった。それがMBA合格が決まってから更に悪化し、担当していたタスクを期限以内に出来る見込みもなくなってきていた。会社を休んでなんとか終わらせようと意気込んだが、結局全く手につかず、しまいにはオンライン詐欺でもうどうでもいいやとなったのだ。

 長文メッセージを編集チームに送ったが、要約すると、もうこれ以上何もできないからこのメールを持って辞める+これまでの進捗と関連書類・メールの添付+一方的な形で申し訳ないが交渉の余地もないため連絡も取らせない、という自分勝手にも程がある押し付け。実際編集用のメールアドレスはすぐにパソコンと携帯から消したし、編集メンバーのLINEもブロックした。何度考えても最悪な辞め方だし、全く誇らしくない。これまで1年以上お世話になった方々に対するとは思えない、あり得ないほどの自分勝手で一方的な逃げ方。

 だが、どんなに自分を奮い立たせてももう何もできそうになかったため、最低限会社とMBAというアメリカでのキャリアを死守するために、所詮は副業の新聞業とその人間関係を全て捨てる選択を取った。この決断はいつ振り返っても常識外れすぎて許されるものではないだろうが、自分を救うという意味ではこれ以上なかった。実際、今日は会社で久しぶりに清々しい気持ちでタスクに集中できたし、家に帰ってきてからも今日は編集のこれをやらなきゃという課題が一切ないのは最高だ。切ったものも大きいが、会社でのキャリアとMBAへの挑戦という意味では、新聞の副業を辞めたことも、インスタの友達全員ともし縁が切れたとしても、全く響かないどころかむしろプラスにもなり得る。

 

~バケーションに向けて~

 

 812日から96日にかけては、オーストラリアとニュージーランドに旅行に行く。オーストラリアでは一人で過ごす予定のため、かなりのリフレッシュになることだろう。色々あったが、会社での自分の地位は何も問題なくキープできているし、同僚・ボスとの関係も良好極まりない。そして、810日にはMBAの同級生との顔合わせハッピーアワーも待っている。オリエンテーション99日に始まるが、この新たなチャレンジに向けても心身ともにリフレッシュして帰ってきたいところ。

 インスタを消したことでもしかしたら何人かの人には心配されているかもしれないし、ソイソースの同僚も怒りや憎しみなど様々な感情を僕に対して持っていることだろう。そしてインスタの人たちは詐欺師に絡まれる可能性もゼロではない。だが、これらのことはもう自分ではどうコントロールすることもできないため、潔く逃げようと思う。

 自分にとって今一番大事なのは会社でのキャリアとMBA。それらを守ることができれば、他を犠牲にしてもいい。人生こうやってしっかり優先順位をつけないとやってられないものだ。日本の友達とはもちろんまた連絡はしたいが、今はそっとしてもらえると嬉しい。本当に連絡したい人にはこちらからメッセージを送るだろうし、当分の間は関わる人も、連絡を取り合う人も会社かMBA関連の人のみが良い。そうすることで、自分の歩むべき道にしっかり集中できると思うから。

 もっと成長したいし、もっと高いレベルで自分の実力を試したいし、もっと高い意識で新しいことにチャレンジしたい。そのためには相当な努力と集中力が求められるわけだが、今の自分はそんなギラギラした気持ちが出るほど精神が整っていない。このバケーションを初め、ここから1ヶ月強かけてたくさん休んで、自分としっかり向き合って、またストイックに自分を追い込む準備をしたい。

 インスタにも載せてないし、リンクも容易に探せないのに、これを読んでくれている人は、僕のことを陰で応援してくれてるか、好きではないけど何故か興味があるかの2択なんだろう。前者にはありがとう、これからもよろしくと、後者にはそういう人こそ僕の何に興味があるのか教えて欲しい、と伝えたい。では、なんだかんだ元気にしてると思うので次の更新までバイバ~イ!

MBA合格と複雑な感情

UWMBA

 

 MBAとはMaster of Business Administrationの略称で、日本語では経営学修士号だ。僕が今回合格したのは、UW (University of Washington) Seattle “Foster School of Business” Evening Part-time MBA プログラム。UWには他に Full-time MBA という、よりスタンダードな、学生フルで2年間のものと、Hybrid MBA という、9割の授業がオンラインで行われるものがある。パートタイムとハイブリッドは、フルタイムの仕事をしながら取得できるように設計されていて、パートタイムは平均3年間、ハイブリッドは平均2年間卒業までにかかる。

 僕がパートタイムを選んだ理由は消去法。ハイブリッドは社会人経験3年以上という条件があり、まだ2年しか働いていない僕はそもそもアプリケーションを出せない。そして仕事を辞めてフルタイムの学生に戻るのは嫌だったため、UWMBAとなると、可能性があるのがパートタイムのみだったのだ。

 最近ではオンラインのプログラムも充実しているため、もちろん他の大学のMBAに出すことも出来たが、ほぼ調べてすらいない。以前もブログに書いたが、僕の中でこの秋MBA進学という選択肢はそこまで考慮に入っていなかったため、受かったら入ってもいいところと考えるとそれこそUWのみだった。自分がUWを評価しているというよりかは、オンラインではモチベーションを保てる気がしない+現在仕事をしているところがシアトル+家から通える範囲内で他に名前のある大学を知らない→UWというのに尽きる。

 

MBAの受験プロセス~

 

 結局UWのパートタイムのみに出願したため、残念ながら他のMBAの受験プロセスに関してはあまり知らないが、準備に何が必要かは似ていると思うので軽く紹介したい。コロナ禍で不必要になっているところも多いが、特にトップスクールだとほぼ必須になってくるのがGMATまたはGRE。これはアメリカの大学院特有の試験のうちの一つで、GMATビジネススクール専用、GREは他の修士号全般、MCATは医学大学院専用、PCATは薬学大学院専用などと、入りたい大学院によって受けなければならない試験が定められている。これらの試験は基本的にいつでも何回でも受けることができるため、日本の大学受験のような一発勝負のものと比べると、ストレスレベルは低い。

 僕が持っていたスコアは、3年前の大学4年に上がる直前の夏休みに受けたもの。GREはセクションが3つあり、Verbalは読解系、Quantitativeは分析系、Analyticalはライティングだ。最初の2項目の点数は130170のレンジで、150が平均点。コロナ禍の夏休みということで暇で準備に時間を割けたこともあり、僕は運良く一発で自分の中での及第点(目標はV:155, Q: 165, W: 4.0だったためオーバーパフォームできた)は取れたので、二度受けることはなかった。スコアをキープできるのは5年ということもあり、せっかくいい点を取れたし使ってみようかという気持ちも少しはあった。

 もう一つの表が、去年の合格者平均点。GREVerbal 155Quantitative 156ということで、僕のスコアでも十分戦えるという判断だった。本来ならGMATも受けた方がいいのだが、今年は今の自分の持ち札で受かるかどうかに興味があったため、GREのみで勝負した。ちなみにその他の比較で言うと、合格者平均の学部時代のGPA3.39なのに対し、僕は3.80を持っていたので、単純な学力の部分だけだったらそこまで劣らないかなと自負していた。

 これら学力系の事前準備さえ済んでいれば、後はそこまで大変ではない。エッセイは必須分2つ+オプショナル2つ。内容は自己アピールや自分の将来像など書きやすいものばかり。会社のマネジャーからの推薦状が23枚必要な以外は、全て自分で終わらせることができる。書類を全てオンライン上で提出すると、次に録画形式の面接がある。そして書類審査に移り、通ると最終グループ面接に招待される。最終グループ面接の内容は前回の記事で書いたため、気になる人はそちらをチェックして欲しい。全てが終わると2週間弱ほど待ち、結果が出る。

 あくまで個人的な感想だが、UWのパートタイムのMBAに限ると、合格難易度はそこまで高くないと思う。僕が今回唯一落ちるかもと懸念していた点は経験値の面。MBAは社会人経験最低3〜5年ほどは必要なイメージがあったため、2年という経験の薄さ・若さを他でどれだけカバーできるかに不安はあった。だが、アカデミックな部分や、ダイバーシティを含めたバックグラウンドに関しては自信があったため、8割型受かるでしょという気持ちで挑んでいた。その分受かった時の感情は、喜びよりかは安堵が大きかった。

 

~入学するメリット~

 

 MBA合格が決まって一番僕が驚いたのは周りの反応。特に親があんなに嬉しそうにしているのは初めて見た。ここまで書いてて伝わったかもしれないが、僕は正直、実力試しのような感覚で出願したため、実際受かったらどうしようかまではそこまで考えていなかった。結果の報告をもらった直後も、これがどういう意味なのかあまり実感を持てずに、数時間誰にも言わずただぼーっとしていた。

 だが、その日の夜満面の笑みで褒めてくれた親の姿、そして合格のニュースを聞いて、わざわざカナダのバンクーバーからうちにお祝いに来てくれた叔母さん家族の反応を見て、これは入るしかないなと決心した。会社のマネジャーや仲の良い同僚、そして日本の友達にも合格したことを伝えたが、皆反応がとてもポジティブで、人生で一番レベルに称えられたような気がする。

 ここからは悩みを書き出すゾーンに入るが、一体世間からのMBAのイメージはどうなのだろう。僕はどの学位もそこまで凄いものだと思っていない。世の中の大抵の仕事は、時間をかければ誰でも出来るものだと思っているため、どの学位・どの大学・どの学部というよりかは、自分が人生においてどう幸せを享受できるか・そのために取ると良い学位は何かで、自分の合う道に進んでいる人こそが勝ち組だと思う。勉強ができるからと言って、トップ大学の医学部に入っても、自分が楽しくなかったら人生というスケールでは本末転倒だろう。

 そういう意味では、製薬会社に興味があって、新卒からこの業界に入れた僕は人生に満足はしている。だが、これから先を考えた時に、「どう幸せを享受できるか」の部分で、価値観が少しずつ変わってきているのも感じる。具体的には、僕の今の価値観での幸せは、自分にとって大切な人たちと共に楽しい時間を過ごすこと。その人たちにセーフティネットを提供してあげられる余裕を持つこと。自分がしていることがある程度社会的に意義があることで、周りから一定のリスペクトを得ること。

 新卒12年目だと製薬業界で違いを作るのは難しいため、サイドで副業をするという形でリスペクトを得る手法を使ってきたが、このやり方だけでは満足できないことに気づいた。やはり本業のクオリティをもう少し上げたい。そして大切な人たちにセーフティネットを提供するためには、もっと経済力が必要になってくるのも確かだ。ということで総合的な判断で、それらを達成するのに近道そうな学位となると、MBAかなとなった。

 MBAはお金の稼ぎ方を学ぶ場所だと解釈している。コネクションができることで他の業界について学べるし、よりお金が稼げる機会が相対的に増えるのは間違いない。製薬会社に残り続けるとしても、MBAを取れば510年分ほどの時間をスキップすることができる。実際うちの部署で30歳前後のマネジャーは2人しかいないが(その他は40歳以上)、その2人は揃ってMBA持ちだ。マネジャーは給料も高いし、リスペクトも受けられる。かなり現実的な考え方で夢がないように聞こえるが、自分の今の価値観では、叶うかどうかよくわからない、半分無謀な聞こえだけカッコいい夢よりも、確実に自分の幸福度を上げ、周りにも幸せを提供できる経済力の方が欲しい。

 

~入学しないメリット~

 

 こんなに行くメリットが多いのに、なぜ心の底からMBA行くの楽しみです!! とはなっていないのか。それは実は今年行かないメリットも少なくないから。

 行かない一番のメリットとして挙げられるのは、柔軟性。一度このプログラムを今年の9月に始めてしまうと、この先3年間はシアトルから抜け出せなくなる。シアトルが嫌いな訳ではないが、ここに来てから6年目に入り、刺激がなくなったというか飽きてきた部分はかなりある。それこそ今年の初めには、今年の終わりか来年には国内移住か海外転勤を考えていたくらいだ。半強制的に一人暮らしができるし、環境を思いっきり変えるとリフレッシュになる。新しい環境に慣れるまでは、経済的に安定させるのも難しいだろうに、先ほど挙げた僕の今の価値観を満たすようなムーブではないかもしれない。だが、他者依存の今の自分の幸せの価値観を、180度変えられる可能性があるのは、環境を変えることしかないという側面もあるのだ。人間は社会的動物であるため、完全に自己依存の幸せ享受システムを構築するのは不可能な気もするが、ここらで少し自分と向き合うのもありだなと思っていたので、MBA入学によってその可能性が3年間絶たれるのは少し寂しくもある。

 柔軟性という意味では、MBAに行かないことでこれまでのフリータイムをキープできるので、副業を続けられる+新しいものに手を出せるというメリットもある。去年の4月に始めた新聞の執筆・編集業はストレスもあるが、かなり楽しい。だが、MBAに入ると流石に時間的に続けられない気がする。テリヤキのビジネスも、MBAに入ってしまうと、あまりお店に出向くことができなくなるだろう。ただこの2つの副業に対するこだわりは当初ほどはないため、MBAを優先する方が、自分的には刺激と学びがあってより楽しい気もする。

 あとはMBA入学において切っても切り離せないのがお金の話し。あまり詳しく話すつもりはないが、学費は3年間トータルで約10万ドルだ。この2年でほぼ家賃免除+副業掛け持ちで貯めてきた僕でも簡単に出せる額ではない。会社が学費を払ってくれる予定ではあるが、全額キープしようと思うと、この先5年間は他社への転職ができない縛りがある(転職したら返せばいいだけではあるが)。聞いた話によると、MBA在学中や卒業直後に、給料アップ+サインボーナスで前の会社が払いきれなかった分の学費は相殺できるというのでそこまで心配はしていない。だが、10万ドルの投資であることは間違いないので、躊躇がゼロなわけではない。経済力をつけるとなると、この投資は中長期的に見たらプラスでしかないとは思っているが、実際にやってみないとどこまでリターンがあるのか確認できないため、探り探りになっていくだろう。

 

~来年行くという選択肢~

 

 これらを全て踏まえると、実は来年の9月のMBA入学が良いのでは? という代案が出てくる。僕が今年ラストミニットで願書を出したのは、親と口喧嘩をした後に自分の価値を証明するためだったのが大きな理由で、もしこのような外的要素がなかったら来年出すつもりだった。今年でなく来年行くメリットは、

 

1、後1年働けば10万ドル貯まるため、お金の心配が更になくなる。

2アメリカ国内他部署やヨーロッパ・アジアに転勤できる可能性がある。

3、他の大学のMBAプログラムを考慮に入れることができる。

4UWだったらハイブリッドプログラムに願書を出せる。

5、新聞とテリヤキの副業に時間を割ける。

6、旅行などバケーションをいつでも好きな時に取れる。

 

などパッと思いつくだけでもかなりあるが、来年までの間に価値観が変わったり、何かハプニングが起こったりして、MBAにコミットできなくなる可能性も大いにある。実際そういう人は同僚に多い。この学位取りたかったけどタイミングを逃して、という人は一人や二人ではない。そういう人が皆口を揃えていうのは”Life happens”。本当は私もMBAを取るつもりだったし今でも取りたいけど、結婚して子供が産まれてでタイミングを逃してしまった。そんな人の話しを聞くたびに、少しでも興味があることはやれる時にやっとかねばなと思うようになった。

 

~結論と夏にやるべきこと~

 

 結論から言うと今年の9月からMBAに通うつもりだ。正式なサインは81日まで猶予があるが、今週の早いうちに決めようと思う。家族や仲良い友達・同僚はお祝い会を準備してくれているし、受かったことは素直に嬉しいし誇らしい。MBAは大したこと学べないという声や、誰でも入れる、24歳で入っても経験不足だから意味ない、なんて思っている大人が世間に一定数いることは知っているし、自分もどちらかというと今まではそっち側の人間だった。

 でも24歳でそれも19まで英語圏外に住んでて、現地就職してMBAも受かって、これからはそれを両立しようとしている人は、少なくとも僕の知り合いには自分以外いない。理由が刺激であれ、他者からの承認欲求であれ、ここまで結果を残してきているわけで、それに値する努力を長年積んできているわけで、誰に何を言われようが自分のしてきたことに対する自信・誇りはもちろんある。強みを理解している分、自分の弱みや成長が必要な部分などもたくさん見えてしまうわけだが。

 スケジュールやプログラムの詳細は今週から8月にかけて見えてくると思うが、早くてもスタートは9月中旬だったような気がする。ということで、新生活へ向け2ヶ月弱となったが、その前に1ヶ月ほどバケーションを取る予定だ。8月末には友達とニュージーランドにロードトリップに行く予定だが、その前後にもどこかに行きたいなと考えている。新聞業に関しては、バケーション前か後かはわからないが、夏に辞めようと思っている。自分の連載コラムなどもあるので完全には辞めないだろうが、割いて週に数時間くらいまでには減らしたい。テリヤキ屋さんに関してはMBAケーススタディとして使わせてもらうつもりではあるが、実際にお店に出向いて手伝うというのはなかなか難しくなるだろう。

 ちなみに授業は月水18:00~21:30というスケジュール。日月火水6:00~16:30のスケジュールで会社で働いているため、週の前半がヘビーな生活が今後3年続いていくことに対する不安は少々ある。だが、授業・課題・試験の難易度などは始まってみないとわからないし、今何か自分にできることはない。とりあえず今はあまり不安に思わずに、旅行と、好きな人たちと遊ぶことを存分に楽しみたい。

 最後になるけど、MBA合格を祝福してくれた人たち、そしていつも応援メッセージをくれる人たち、本当にありがとう!! 応援してくれる仲間がいることはモチベーションになるし、いつか何かの形で恩返ししたい!