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JJの気まぐれブログ

MBAing 2 〜リアルすぎるお金の話し〜

~現在の給料~

 

 今回のテーマはお金。世間一般には、給料や貯金額の話しをすることはタブーと考えられているが、僕はそうは思わない。だからといって他人の給料を聞き回っているわけではないが、少なくとも自分の給料をシェアすることにそこまで躊躇はない。ということでざっとこれまでの社会人24ヶ月の給料推移をリストにまとめよう。

年月

基本給(年収換算)

ボーナス

コメント

20216

$50,000

 

新卒

20224

$55,000

$1,500 (20224月配布)

インフレ調整込

20226

$65,000

$10,000 (サイン時)

転職

202310

$73,000

$3,250 (20234月配布

昇進

 数字としては見ての通りとしか言いようがないが、いくつか補足をしておこう。業界や地域、そして個々の企業ごとにも異なるので一般化はしたくないが、シアトル近郊の製薬会社はどこも似ているので参考にはなると思う。

 まず、毎年春(3~4月)に Annual Raise とボーナスの配布が行われる。レイズはポジションにもよるが、20代だと大体3%前後。年収が$2,000-$3,000ほど上がる。そしてボーナスも20代は3-10%とそこまで高くはない。昇進はタイミングは個人によりけりだが、給料としては10%前後は上がるイメージだ。他にサイン時のボーナスや株のボーナス、401kのマッチング(年金用のセービングに会社もいくらか注ぎ込んでくれる)などもあるがここでは省こうと思う。

 さて、ここまで詳細に給料をシェアする意義についてだが、目的は2つ。1つは色んな人の参考になるから。もう1つは自分のこれからのチャレンジをよりわかりやすく数値化するため。僕は新卒の就活時は頼れる知り合いが一人もおらず、いくらを狙えばいいのかが一切わからなかった。会社に入ってコネクションを作れたことで、よりこの業界について学べ、もっと給料が高く自分が成長できる大企業に転職したわけだ。24ヶ月で50%弱給料が上がっているのは嬉しくはあるが、客観的に見ると$73,000という年収はシアトルでは低年収だ。年齢と業界を考慮すれば頑張っている方だが、まだまだ物足りないし、自分が目指しているところからはかけ離れている。じゃあどう給料を上げていくか? 過去2年行っていたように、副業をすれば年収を上げられるが、長期的に見るとやはりメインの稼ぎを増やしたいところ。自分の中での答えは早めのMBAだった。

 

MBAへの投資は価値があるのか?~

 

 MBAの学費はとても高い。3年で$95,000だ。会社が少しは学費を負担してくれる予定だったが、諸事情ありまだ最終決定がなされていない。ということで全額自腹で払うという前提で話しを進めていこう。

年齢

推定年収(MBAなし)

推定年収(MBAあり)

合計差額

24

$73,000

$41,000

-$32,000

25

$75,190

$43,190

-$64,000

26

$82,709

$50,709

-$96,000

27

$85,190

$130,000

-$51,190

28

$93,709

$136,500

-$8,399

29

$96,520

$150,150

$45,231

30

$106,172

$157,658

$96,717

 数値を算出した方法についてだが、MBAなしの方は年3%増し、2年に1回(年齢偶数年)10%増し、MBAありの方は24-26MBAなしの推定年収マイナス$32,000(学費の約3分の1)、27$130,000はこの次に触れるが、そこからは年5%増し(基本給が高いとレイズも高いという予想の元)、奇数年10%増し。

 下の表はこれまでのUW MBA卒業生の卒業時の年収・サインオンボーナスのデータ。まだ今年卒業した人のデータは出ていないが、インフレの影響もあり平均年収は$150,000オーバーと予想されている。ただ、そもそも平均年齢が28-32歳辺りと、僕より経験豊富な人たちの平均値であるため、様々考慮をして、僕が卒業する2026年には下位30%ほどに位置するであろう$130,000という年収を推定とした。

 この表を参考にすると、学費を全額自腹で出しても、30歳になる頃には十分元が取れ、30代からはガンガン稼いでいける見込みだ。ここには含めていないが、$20,000-$30,000ほどのサインオンボーナスも貰える可能性が高いので、それ込みだと卒業翌年には差額を埋められる。もちろん現実はそこまで予想通りには行かないだろうが、個人的にはMBAへの投資は中長期的に見て成功だと思う。

 

MBAに行けば誰でも稼げるのか?~

 

 僕のこの質問に対する簡単な答えはノーだ。まず、MBAと言ってもプログラムによって天地の差がある。MBAというタイトルを取るだけなら、オンラインで1年半もあれば取れるのが現実だ。他にも比較的簡単に取らせてくれるMBAは少なくない。僕の会社にもMBA卒は一定数いるが、せっかくMBA取ったのにそんなポジション?と思う人は基本的にオンラインMBA勢。もちろんオンラインMBAでうまくキャリアを形成していく人もいるだろうが、MBAのメリットを最大限享受したければ、仕事を一旦辞めてフルタイムで2年間が一番オススメだ。

 そういう僕は仕事をしながらの3年かかるパートタイムなのだが、理由は仕事が楽なため両立できる自信があったから+製薬業界での勤務年数を積んでおきたいため(Years of experienceは重要な指標で、ポジションによってはX年勤務歴がないと面接すらさせてもらえないなど縛りがあることも)。とはいえ、インターンや、より時間のかかるプロジェクトなどは、パートタイムでは最大限有効活用するのは難しい。特に異なる業界に飛び込みたい人はフルタイムでないと厳しいだろう。僕は今 Finance やコンサルにも少しずつ興味を持ちつつあるのだが、もしそっちに行きたければ、2年目の終わりの夏に会社を辞めて新しい業界でインターンをして、3年目は無職で、就活と新しい仕事への準備をするのが最善策となる。パートタイムの利点としては、給料を稼いでいるため学費は通いながら相殺できることと、学んだことをすぐに仕事で活かせることなどがあるため、一概にパートタイムが劣るということではない。

 また、インパーソンのプログラムというだけではなく、どのプログラムに入るかもとても大事だ。入れるのならば、スタンフォードかハーバードに入ればいいだろうが、敷居は高い。MBAランキングなどで調べれば、どの大学が投資価値があるかは見えてくるだろうが、人脈がほぼ全ての世界なので、出来るだけ高いところを目指すことをオススメしたい。結論、「そこそこレベルの高いMBAに入れる人なら誰でも稼げるようになるだろうが、入れず妥協してオンラインや低レベルのMBAに入った場合は稼げる保証はない」というのが僕の最初の質問への回答になる。

 

~どの仕事でそこまで稼げるのか?~

 

 UWはシアトルが本拠地ということもあり、卒業生の就職先を見ると半数がアマゾン、グーグル、マイクロソフトなどのテク企業だ。ポジションは人によりけりだが、Project Management, Product Management, Corporate Finance などが人気らしい。他には銀行・Wall Street 系の大手や、コンサル会社が典型的な就職先として挙げられるが、ここまで平均年収が高い理由は MBA Recruiting のおかげだ。MBA Recruiting とは、企業がビジネススクールに「あなたのところの学生を何人ください」と頼み、学校経由で就活をするシステム。これまでOBをたくさん輩出していることもあり、企業側は学校側との関係維持の意味を込めて、個人で就活をするよりも学生有利な条件を提示してくれるのだとか。就活のプロが履歴書の添削から、面接対策まで全てサポートしてくれるため、その王道ルートにさえ乗れば、ほぼ確実に6桁の年収は獲得できるのが現実。先ほどのデータの2021-2022卒業生の一番凄いところは、90人中最低年収が$94,000であること。最低値がほぼ6桁は正直異常な強さとしか言いようがない。

 学校側も、他の学校と競うために、卒業生には高い給料を勝ち取って欲しいため、ネットワーキングイベントなどサポートがとにかく積極的。入るまでに持っていた、「MBAに入る価値はあるのだろうか?」という淡い疑問は、少なくともお金の面では消えた。無論、お金を稼げたからといって幸せな人生を送れるとも限らないが、今の僕の価値観では、年収$150,000くらいまでは給料と幸福度は比例すると思っているので、徹底的にお金にはこだわっていくつもりだ。わかりやすいゴールがあった方が頑張れるタイプなので、卒業までに年収$130,000+サインオンボーナス$30,000クラスの内定を得ることを暫定的な目標として据えた。具体的には、1年目である来年夏までは、授業の履修に加え、課外活動では、興味のある業界を絞り出し基礎知識をつけること、ネットワーキングに勤しむことの2つをメインに準備を進めていきたい。では、また次回の記事で。