JJ

JJの気まぐれブログ

林飛鳥

~中高時代~

 

 林飛鳥と出会ったのは同じ中高一貫校に入った12年前のことなのだけど、クラスが違ったから本格的に話すようになったのは中学3年の時。学年の2割くらいの人は帰国子女枠で入った人たちで、英語がペラペラの人も多くて、林飛鳥もそのうちの一人だった。最初こそすごいなと思っていたけど、負けず嫌いの僕は途中からこの人たちに追いつきたいと思うようになって、中3で次世代育成道場という東京都教育委員会主催の留学プログラムに入ることに。同じコースには100人いて英語のテストスコア別にグループ分けがされたのだけど、僕は8番グループ(全体3640番)で林飛鳥は1番グループ(全体15番)だった。うちの学校からは僕ら2人を合わせて9人が同じコースにいて、研修を通して仲良くなって、少しは特別な絆ができたかと思う。

 

 留学から帰国したのは高2の夏のことで、ほとんどの次世代生はそこから受験勉強に勤しむことになるのだけど、林飛鳥は高校を辞めてアメリカに戻った。僕の英語力はと言うと、アメリカで猛勉強したこともあり、帰国して英検1級を取れるくらいレベルは上げられたのだけど、まだネイティブとの差は感じていた。受験はというと、全力投球はしたものの、結果は第一志望の東大には落ちて慶應薬学部に入ることに。負けず嫌いの僕にとっては今でも人生最大のショックで、大学1年時は友達もたくさんできて楽しかったものの、本当にこのまま慶應を出て日本で就職することで満足できるかの自問自答は繰り返していた。

 

~大学時代~

 

 僕以外の家族は僕の高校卒業と共にシアトルに移住し、夏休み・春休みの2ヶ月間ずつはシアトルで過ごした。その夏に数年ぶりに再会したのが林飛鳥。ジョージア州の高校を卒業した林飛鳥は、アメリカで大学受験をして、シアトルを拠点とするワシントン大学に入っていた。夏休みにはシアトル観光を一緒にしたり、春休みには授業にもいくつか潜らせてくれた。留学から数年経ち英語力の低下を実感しつつあった僕は、言語面やキャリア面、生活面など様々なことを考慮して最終的には慶應1年で中退して、コミュカレで1年準備をして3年生としてワシントン大学編入することに決めた。プランは完璧に遂行でき、大きな影響を与えてくれた林飛鳥と2021年に卒業した。英語力も上がり、高校時代の夢の1つだったアメリカの製薬会社就職も無事確定。林飛鳥とはというと、なぜか日本に就職していた。

 

~社会人~

 

 そこから2年半経つのだけれども、林飛鳥とはどちらかがシアトル・東京に遊びに行った時に必ず会う仲にはなって、毎回話す話題も大人びてきたし、お互いの成長を感じれている。僕はアメリカの製薬業界で転職やMBA入学を経て順調に階段は登っているが、常に上しか見ていない僕にとっては、毎日悔しいことの方が多い。出会う人もエリートが増えてきて、自分と比較して自尊心が削られる日々。自分はもっとできるはずなのに、なぜ現状はこんなに理想と離れているのか自分を追い込み、自分に精一杯で人間関係を全く思うように構築できていないここ数年。他人の愚痴を共通の知り合いに言ったり、ストレートに物を言いすぎたり、グループを抜けたり、態度が日によって違ったり、全部自分が悪いことは分かりきってるし、それで友達になれそうだった人とも縁を切ってしまってるのも自覚している。後で気づいて関係を修復しようと思ってももう遅いことも多いし、一見フレンドリーな割に友達が少ないのは自業自得だ。

 

~ありがとう~

 

 そんな中で、林飛鳥のように、僕の悪い面も良い面も全て理解してくれて、いつでも味方をしてくれる友達がいるのは本当に嬉しい。もちろんお互いを知ってから長いし、経歴も似ていることが大きな要因ではあるが、それ以上に、人間として綺麗な部分も汚い部分も全てありのままの自分でいられるのがとても気楽だ。他に人にはきっと重すぎてドン引きされるだろうからなかなか話せない僕の負けず嫌いさと、自分より凄いなと思う人に追いつき追い越したいという野望、それを叶えるためのプランなどを全部話せるのは親を除いて数人もいない。自分が良い人だとは思ってないし、苦しい生き方をしているのも自覚している。もっと足るを知って少しは満足することを覚えた方がより幸せにもなれるだろう。だけど、自分の性格上、常に上を目指して戦っていないと病んでしまう。中学の頃憧れていた英語ネイティブにも10年弱かけてやっとなれて、今では林飛鳥との会話は英語日本語が半々になった。

 

 林飛鳥が主役のはずのポストなのに話題の8割くらいは自分のことなのも、僕のありのままの姿だ。自分はあまり大勢から好かれるタイプの人間ではないだろうから、変わる努力をしたい気持ちはもちろんある。だけど、今は色んな考えが交錯しすぎていて、外からの自分の見られ方にどこまでエネルギーを割けるかがわからない。今の自分を正当化するつもりはないけど、こんな自分でも仲良くしてくれる友達がいてくれるのは本当に運が良かったと思う。林飛鳥、いつもありがとう。これからもよろしく。